
クリエイティブディレクションからデザインを手がける、株式会社イイノ・メディアプロのクリエイティブ部門です。つたえなければならないコンセプトを正確に、新鮮なビジュアルで表現します。目指すは、世界で通用するグローバルデザイン。フォトスタジオ、フォトレタッチとの連携により、クオリティとスピードを兼ね備えた、オリジナリティ溢れるデザインを提供します。
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〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-4-5
IXNO image LABORATORY(イクシノ イメージ ラボラトリィ)は、広告、写真集、CD ジャケット、本の装丁等、幅広い領域を手がけているアートディレクションの会社。フォトグラフィー、グラフィックデザインから、企業のブランディングやクリエイティブのコンサルティングまで、ヴィジュアルに関わる領域横断的なソリューションを提供するユニークな存在として、各方面の注目を集めています。
代表アートディレクターの藤田恒三さん、アートディレクターの上野隆文さん、プロデューサーの三木崇史さんに、IXNO image LABORATORYの活動についてお話をうかがいました。
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(藤田)IXNO image LABORATORYは、株式会社イイノ・メディアプロのクリエイティブ部門になります。10年ほど前に撮影スタジオをオープンさせたときに、スタジオだけじゃなくてクリエイティブをやるチームもあったほうが面白いんじゃないか、というのが設立のキッカケです。ハコだけじゃなく中身も、というわけです。
― 写真が出発点の会社、ということですね。
(藤田)立ち上げた頃に、まだ当時出たばかりのデジタルカメラを導入したんです。3ショットタイプといって、RGB3色分を3回に分けて撮影するやつ。最近の人は知らないかな…ベンツ1台分くらいの値段がしました(笑)。そのカメラで、かなり早い時期からデジタルフォトというものを学習していったんですね。フィルムを経由せずいきなりデジタルデータになるということは、仕事のフローが激変するということなんですね。この大きな変化にどう対応したらいいのだろう、と試行錯誤を繰り返すうちに、どんどん仕事の領域が拡大していったんです。
― デジタルの可能性を追求していくうちに、仕事の中身が変わっていった、と。
(藤田)最初は、フォトレタッチ。ブツのレタッチを手がけているところは他にあったので、人物を重点的にやってみよう、と。人物写真のレタッチを追求していたら、「おもしろいことやってるね」と興味を持ってくれる人が増えてきまして、そうした従来の表現に飽き足らない、新しい表現を求める人たちと一緒に、いわば領域横断的な仕事に取組みはじめたんです。例えば、CDジャケットの制作を依頼される。そうなるとレタッチだけじゃなくて、上流のアートディレクション、グラフィックデザインまで統合的にプランする必要が出てきます。もちろん印刷の知識なんかも要りますね。さらには、アーティストをどうやって売るかというマーケティング戦略と、アーティスト自身がどうありたいのかという意思との間のバランスをとって、ひとつのヴィジュアル表現に昇華させる、というような抽象度の高い次元までプランしていく仕事になってきます。音楽アーティストの仕事や、ファッション業界の仕事はコピーがないので、ビジュアルの中だけで、左脳的要素と右脳的要素をバランスよく表現することを身につけました。「あっと驚かせるけれど、きちんと売れる案をお願いします」とよく言われました。
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(藤田)司馬遼太郎の「街道をゆく」という本の装丁、これはIXNO image LABORATORYらしい仕事なんじゃないかと思います。全43巻の大著ですが、全巻の表紙カバーが、ポラロイドカメラで撮影した空の写真になっています。これは第一線で活躍されているカメラマン43人、例えば浅井慎平さん、荒木経惟さん…ケイ・オガタさんといった方々に、ポラロイドカメラとフィルム30枚を渡して、自由に空を撮ってきてもらう、という企画です。この仕事の依頼を受けたときに、たまたま仕事で「街道をゆく」に書かれた場所の一つであるモンゴルに撮影に行く機会があったので。「街道をゆく」を読みながら出発したんですが、私が飛行機でモンゴルに行って日本に戻ってくるまでの間に、読んでいた本の中の記述ではまだモンゴルに到着すらしていない。司馬遼太郎さんは、まだ新潟から船にのって大陸をゆっくりと移動…という旅をしてるんですよ。タイム感が現在とは全く違う。あ、このタイム感、昭和の時間感覚を表現の核に据えたらいいんじゃないか、時間の流れを表象するなら「空」かな、と。これは左脳の発想ですね。で、「空」を表現するのに、ポラロイドでカメラマン43人というのはおもしろいそうだぞ、と。ポラロイドはほとんど何もパラメーターをいじれないカメラなわけです。誰が操作しても同じようにしか撮れない、だからこそ、逆説的にそのカメラマンの個性がでるんじゃないかな、と思ったんですよ。これが右脳の発想かな。実際困った顔をする方も多かったんですが(笑)、出来上がってきた空の写真をみると、これがとてもおもしろい、すごくそれぞれの個性が出てるんです。昭和のタイム感という左脳の理屈と、カメラマンの個性をポラロイドの制限の中で浮かび上がらせるという右脳の閃きの両方を横断して出来た仕事です。

― 広告業界も、最近は領域横断型の不定形な業務が増えてきてます。
(藤田)IXNO image LABORATORYは、まだ本格的に活動を始めて日が浅い会社です。それぞれの領域には、それぞれ数十年のナレッジを蓄えている優秀な会社がすでに存在しています。そうした会社と、その領域で互角に渡り合おう…というのではなくて、彼らがやらないこと、僕らにしか出来ないことをやろう、と思ってます。“イタズラ”と言ってもいいかもしれませんね(笑)。肩肘はって領域を超えてやろう、ということではないんです。自分たちが仕事を楽しんでいたら、たまたま領域を横断していた、という感じ。テレビ朝日さんの「相棒」というドラマの仕事はその典型です。最初は番組ポスターの制作から始まったんですが、自分たちが面白がってやってるうちに、タイトルバック映像をつくることになったり、劇場映画版の宣伝プロモーションを企画からつくることになったり。自分たちで思いついた実験的なアイデアを、どんどん番組プロデューサーに提案していったんです。会議でも提案したし、一緒に飲んでるときに思いついたこともその場で提案したり。番組プロデューサーが新しいことが大好きな人で、そういう提案をしてくる僕たちをとても評価してくれて、よし、任せるからやってみろ、と。
― クライアントとそういう関係になれるのは素晴らしいですね。
(藤田)絵柄違いのポスターを全部重ねると、ストーリーにまつわる情報が見られる…このドラマはマニアックなファンが多いからそういう謎掛けをしてみたら面白いんじゃないか、とか。手間がかかるので、自社の利益上はどうか(笑)というようなアイデアが多いんですけど、自分たちがこれは絶対面白いと信じられるものだけをぶつけていく、そういう誠実さと情熱を感じて頂けたんじゃないかと思っています。クライアントは、野球でいえば「ど真ん中ストレートで振らせろ」というサインを出してくるキャッチャーみたいな存在だと思います。ボールにならない、確実にストライクのとれる球筋を要求するわけですね。ここで「ど真ん中」ばかり投げるんだったら、もっと球速の出るピッチャーが私たち以外にたくさんいるわけで、私たちが投げる意味があんまりないんじゃないかと思うんです。デッドボールすれすれの球、大きく曲がるカーブ、手元で落ちるフォークなどなど、緩急織り交ぜた自分達らしい配球をさせてもらえる、そういう信頼関係があって初めてIXNO image LABORATORYが投げる意味が出てくる、持ち味が生きてくるんだと思っています。


― 広告の仕事も、これからはそうした信頼関係が大切になるような気がします。
(藤田)広告は、制作現場に至る前に決まってしまう要素が多いですからね。制作現場の段階で、思い切ったアイデアを入れ込める余地は確かに少ないと思いますが、これから変わっていくんじゃないでしょうか。昨年、パズルさんと一緒に制作したWEBサイト「年賀郵便.jp」のコンテンツで、0歳から100歳までの101人の写真を撮る、というのがありましたね。101人の年賀状。あれは、撮影現場がすごく創造的でしたよね。カメラの前に立ってもらって、それからその人のキャラクターをみて、その場でどんなポーズをとってもらうかを決めていく。すごくいい写真になったのは、そうした制作の現場に大幅に自由度を与えていただけたことが大きかったと思います。いいクリエイティブを生み出すためには、しっかり規定する部分とクリエーターに思い切って任せてしまう部分の分別が重要になるな、という認識はクライアントさんの方にも徐々にできていくのではないでしょうか。要するに「このビジュアルで何を伝えるのか」がきちんと共有できていれば、ポーズやライトや構図がラフ通りでなくても現場でそれ以上の表現が出ればどんどんと進められる。そうすると120点の表現がたまに出てきますよね。
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「移動すること」
(藤田)「移動すること。」同じ場所にいるとやはり煮詰まります。遠い外国でもいいし、あるいは通勤の道筋を少しいつもと変えてみる、というのでもいい。初めての場所を歩くと、見聞きするものが全て新鮮に見えますよね。外国はもちろんですけど、通勤時の回り道でもそう。自分が日本人である、ということを意図的に忘れて歩いてみるんです。初めての外国を歩いてるような気分になってみる。そうすると、いつもだったら見過ごしてしまうような何でもないことにハッとさせられるんです。物事が急に違う切り口で見えてくるんです。新しいインスピレーションや情報は、外からではなくて、自分の中からやってくる。だから何かを探すときにはネットばかりみてないで、外にでる、移動する、これが私のインスピレーションの源。
「発見」
(上野)僕は、サイエンスの分野など自分が今仕事に関わっている以外の分野から刺激をもらうことが多いです。サイエンスでは、「発見」が人々のそれまでの認識や常識といったものをガラっと変えてしまうことがありますよね。例えば、ピラミッドは外形を造ってそれから内部の構造を造った…と思ってたら、最新の研究では内部の構造をまず先に造ったようだ、ということがわかってきたんだそうです。デザインの世界でも、それまでの固定観念をガラっと転換してしまうようなアイデアを考えてみたい、という思いがあるんです。
「人との出会い」
(三木)私のインスピレーションソースは、「人と会う事」です。初めましての人や久しぶりの友人と会う。そんな単純な事ですが、その人たちと話し、考えを聞いたり、色々な価値観に触れているうちに、どんどんイメージが膨らんでいきます。人との出会い。その数だけ可能性や限界値が広がるように感じています。そういう意味で、パズルハウスという場で、様々な領域の才能と知り合い、つながっていくという事には、すごく可能性を感じています。
― ありがとうございました。
1968年生まれ。広告代理店勤務を経て、1999年イイノ・メディアプロの立ち上げに参加。広告、写真集、CD ジャケットなどのアートディレクション及びフォトグラフィー、企業のブランディングやクリエイティブに関わるコンサルティングも手がける。無類の麺好き。(写真中央)
上野隆文
78年生まれ。05年、アートディレクターとしてIXNOに参加。仕事の幅は、アートディレクションに留まらず、写真、イラスト、タイポ、デザイン、書画など多岐に渡る。メロンパンも好き。JAGDA会員。(写真左上)
東京生まれ亀有育ち。武蔵野美術大学建築学科卒業後、2006年からIXNO所属。在学中に学内外問わず、様々なプロジェクトを通して計画力と行動力を養い、独自のデザインに活かす。「人と人をつなぐ」を目標に、グラフィック、WEBを中心に活動。バナナが好き。(写真右上)







