
06 年10月に「株式会社マキビシ」として熊沢新之助、内山慎太郎のユニットでスタート。シンプルな「オモシロイ」を追求する会社。漫画、映画、ファミコンをインスピレーションに、趣味色の強い仕事をこなしている。合言葉は「気合」。
http://makibishi.co.jp/
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TEL: 03.3462.1415 FAX: 03.3462.1419
〒150-0021渋谷区恵比寿西1-30-9 パサージュ代官山#C
株式会社マキビシは、そのユニークな作品性で注目を集めた「マキビシコミック」で知られるWEB制作会社です。熊沢新之助さん・内山慎太郎さんの2人のユニットで、オリジナルコンテンツをはじめ、広告領域においても、個性的な作品を次々とリリース中。「One show Interactive」「NY Festival International」といったコンペティションでの受賞など、海外での評価も高まっています。
代官山の駅近く、2人の創造の拠点であるオフィスにおじゃまして、マキビシの活動についてお話をうかがいました。
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(熊沢)設立したのは、2006年10月です。当時、わたしはWEB制作会社に所属していたんですが、そこでの仕事と、自分がやりたいこととの間にギャップを感じることが多くなって独立することを決めたんです。その時に、内山に声をかけました。
(内山)僕たちは、元々は小学校時代の友達なんですよ。僕は、当時はデザイン事務所で、紙のデザイナーをやってました。僕はあまりWEBにはなじみがなかったんですが、熊沢と組んでやれば、たぶんおもしろいものができるだろう、と。
― 自分がやりたいこと、というのはどんなことをイメージされてたんでしょう。
(熊沢)日本のWEBサイトって、あまり個性の強いものがなくてつまんないな、と。海外のWEBサイトなんか見ると、とってもクセが強いものがありますよね。個性でコテコテといってもいいくらいの(笑)。日本のWEBサイトも、もっと個性の幅があってもいいはずだ、と思ったんです。個性の強いもの、自分たちの個性を感じられるものを作っていきたい、ということですね。
― 「マキビシコミック」がその第一弾ですね。
(熊沢)まずは、マキビシとして「名刺がわり」になる作品をつくろう、と思って。こういうことをやりたいんだ、という意思表明になるようなもの。会社設立のドタバタが終わったあと、最初の数ヶ月は「マキビシコミック」の制作に全ての時間を使った、という感じです。
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(熊沢)とりあえず「コミック」と言ってますが、土台は「ゲーム」です。画面のあちこちに謎を解くヒントが隠されているので、それをクリックして発見しながら、世界を旅して5人の忍者を探し出す、というストーリーになってます。原画はすべて内山が描いています。それを、僕がFLASHにプログラムして、音をつけました。
(内山)原画は、手で描いたものです。自分たちの作品、ということもあって、何の制約もなく描いたものなので、自分のイラストの好みが濃厚に出ています(笑)。カワイイとキモチワルイの中間というか。あまり日本ではメジャーな路線ではないですが、自分たちの「名刺がわり」になるものですから、好みを曲げずに描きたいものを描きました。
― 公開されてからの反響はどうだったんですか。
(熊沢)海外からの反響が早かったですね。米国のゲームサイトに取り上げられたんです。日本のクレイジーなクリエーターがおもしろいものをつくってる、と(笑)。そのWEBサイトは、世界中のWEBクリエーターやゲームクリエーター、熱心なゲームファンがチェックしているメディアでしたから、その記事をみてそうした人たちがアクセスしてくれて、彼らを起点にして話題が広がっていきました。世界中からたくさんのメールをもらいました。
(内山)海外の人って、どういうわけか「忍者」が好きなんですよね(笑)。忍者のキャラクターを使った世界観がすごくツボにはまったみたいです。社名も「マキビシ」(撒菱。忍者が用いる道具のひとつ。逃げる途中にばら撒くことで追手に怪我を負わせる)ですしね(笑)。
― まさに「名刺がわり」の作品になりましたね。
(熊沢)これ自体では全く儲かってないのが問題なんですが(笑)。ともあれ、「マキビシコミック」で、国内外の賞をいただいたり、雑誌の取材がはいったり、と世の中から注目してもらえたことは成功といっていいんじゃないかと思います。
(内山)「マキビシコミック」の系列では、つい先日「Seven」というゲーム作品をリリースしたところです。ある惑星が舞台になっていて、7つのステージを冒険していくストーリーになっています。3D空間なんだけど、一方向にしかすすめない、といういわば2.5D作品(笑)。レトロっぽい、というかアナログっぽい独特の世界観で、マキビシらしさを堪能していただける作品になったと思います。こちらもぜひアクセスしてみてください。
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(熊沢)「マキビシコミック」や「Seven」のようなオリジナルコンテンツはもちろんですが、広告もまずはシンプルに「オモシロイ」ことが大切だと思うんです。最初の段階で、積極的に「見たい!」と思わせられなければ、肝心のマーケティングメッセージまでたどり着いてもらえないですよね。特に、WEBサイトを広告として使う場合は「オモシロイ」ことが最重要。マス広告ならコンテンツを見るついでに見てもらう、という成立の仕方でいいんですが、WEBサイトはそれ自体がコンテンツでもあるわけですから。せっかくお金をかけるんですから、「オモシロイ」ものでないと。そうでないなら、お金を広告以外の他の施策に使ったほうが効率がよいのでは…と思います(笑)。
― そういう意味でうまくいった広告にはどんなものがありますか。
(熊沢)2008年のエイプリルフールに、ヤフージャパンで公開された「SPACE INVADERS INVADE YAHOO! in April Fool's Day.」は、マキビシらしいアウトプットだと思います。スペースインベーダー30周年、ということで、タイトーさんが年間を通じて様々な仕掛けをされた中のひとつです。ヤフージャパンの画面に、突然インベーダーが出現して、ヤフーの画面を破壊していく、という表現になっています。最後にはヤフーに反撃されてインベーダーたちが謝る、というのがオチなんですけど(笑)。タイトーさんからコンペに出てみないか、とオファーをいただいて、提案したらとてもおもしろがってくださったんです。かなり自由にやらせていただきました。
(内山)ABCランドという企業のコーポレートサイトも楽しんでやらせていただいた仕事です。コーポレートサイトなのに、ゲームのようなインターフェースになっていて、社員の皆さんにキャラクターとして登場していただきました。サイト上を行き来しているキャラクターに話しかけると、各社員のブログを見ることができる、というものです。ブログが話題になりはじめて間もない頃で、社員がそれぞれブログを書いたらおもしろいんじゃないか、というアイデアですね。「コミュニケーション・エントランス」というコンセプトで提案しました。
― マキビシらしさ、というのはどういうところにあるんだと思いますか。
(熊沢)僕たちは、子供の頃に見たエンタテインメントにとても強い影響を受けています。まずはコミック。ちょうど「少年ジャンプ」が最も部数を出していた頃の小学生だったんじゃないかな。それにファミコンをはじめとするゲーム、それと映画。だからといって、コミックをやる、ゲームをやる、映画をやる、というと、それぞれの領域には、それぞれ優れた才能がいますから、自分たちの出番はない。それらのジャンルを横断したところ、掛け合わせたところで「オモシロイ」ことをやる、というのがマキビシらしさかな、と思います。WEBというメディアはそういう志向性に向いてるんじゃないでしょうか。
(内山)といっても、他のWEBサイトからはあまり影響を受けないんですよね。漫画の構図とか、ゲームの操作感とか、そういったものからの影響のほうが大きい。WEBのテクノロジーですごいことができるようになった、としても、そういうところからはあまり影響されない。例えば、3D空間をフルで実現できる最新技術があって、それを採用したとしても良い作品になるとは限らない。さっき紹介した「Seven」のように、構図や操作感といった「オモシロイ」の追求が先で、3Dか2Dかというのは二義的なことなんです。
― マキビシらしさ、というのはどういうところにあるんだと思いますか。
(熊沢)オリジナルコンテンツのリリースは今後も続けていきたいと思っています。「マキビシコミック」や「Seven」といったWEBコンテンツの他にも、いろんな活動にトライしていこうと。例えば2008年に作った「トレカレ」というトレーディングカード形式のカード型カレンダー。渋谷・原宿・代官山近辺の雑貨屋、デザインギャラリー、インテリアショップ等で無料配布しました。各ショップには数十種類のカードがあって、全部のカードを集めると54枚のコレクションになる、という企画です。活動の場をWEBに限定せず、また、いろんな企業やクリエーターの方と柔軟にコラボレーションしていけたら、と思っています。

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「少年のココロ」
(内山)僕は、マンガを読んだり、ジブリ映画を観たりする時間がインスピレーションの源。いわば「少年のココロ」というやつかなぁ。
「風呂や寝る前」
(熊沢)僕は、風呂に入ってるとき、それと布団に入って眠りに落ちる前。アタマが整理されるんですかね、こういう時に、ふと変なことを思い出すんですよ(笑)。昔、こんなこと考えてたなあって。それで思い出したことをあれこれ考えてると、パッと現在の事柄とアタマの中で線がつながって、新しいアイデアが生まれるんですね。風呂と布団が閃きの源です。
― ありがとうございました。

1980年生まれ、町田の農家育ち。WEB制作会社を経て、マキビシとして独立。FLASHのオーサリングを得意とし、さまざまなプロジェクトに参加。合い言葉は、「気合い」。無類の忍者好き。 (写真左)
1980年、神奈川生まれ神奈川育ち。グラフィックデザイン会社で某アイドル関連の仕事を経て途方に暮れていたところを熊沢氏に拾ってもらう。ジブリ映画とROCKを好む。尊敬する人物は本田宗一郎。(写真右)







